中央協同組合学園校友会

校友会からのお知らせ

中家 徹氏、全中会長候補者として所信を表明。
~今日のピンチをチャンスに 6月22日全中会長候補者所信説明会にて~

 今、農業も農村もそして我々JAも厳しい試練のときを迎えています。

 この厳しい状況を乗越え、将来への展望を切開くために、再度、全中会長選に立候補させて頂くことを決意いたしました。

 農業者の所得増大、農業生産の拡大、地域活性化の実現に向けて、JAグループをあげて取り組んでいる自己改革を完遂する、そのために政府等とも十分な話合をして参ります。

 しかしながら主張すべきことは主張し、また理不尽な批判や提言等に対しては毅然と臨むことを基本姿勢とし、所信の一端を述べさせていただきます。

まず第1は、自己改革を何としても完遂することであります。

 農協改革集中推進期間が平成31年5月までとされ、また、准組合員の事業利用規制のあり方検討期日が33年3月までであることを踏まえますと、この3年間の取り組みが、今後のJAグループの浮沈を決めるといっても過言ではありません。

 我国には多種多様な農業があり、自己改革への取り組みもJAによって多様ではありますが、JAグループ全役職員が危機意識を共有し、総力をあげて自己改革に取り組み完遂することが極めて重要です。

 そして、組合員から「JAは無くてはならない組織」であるとの評価を得ることができれば、組合員のJAへの結集力が高まり、協同組合の原点に立ったJAとして新たな出発をすることができると確信しています。

 そのためにも、今日のピンチをチャンスに変える絶好の機会ととらえ、自己改革の取り組み状況を検証するとともに実践を加速して参ります。

 改革の一丁目一番地は、「農業者の所得増大」であります。

 そのためには、生産資材価格の引下げなどコスト削減対策は重要であり、改革プランに基づき実践して参ります。

 ただコスト削減には限界もあり、1円でも多く農家手取を確保するための販売対策がより重要になると思っております。

 輸出拡大、直接販売やネット販売等の拡大などの取り組みも重要対策でありますが、加えて国内需要の拡大対策も必要ではないでしょうか。

 現在、日本人の必要食料の半分近くは輸入食料だと言われており食料安全保障の観点からも、和食の普及とともに関係機関とも連携して国産農畜産物の消費拡大運動を展開し消費者の皆様のご理解を頂きながら国内需要の拡大に取り組んで参ります。

 一方、改革を進めるにあたって、30年産米問題や日欧EPA交渉への対応など喫緊の農政課題への対応が求められます。

 米は我国の主食であり、30年産以降も引続き需要に応じた生産を基本とした価格対策の確立が必要です。

 また、日欧EPA交渉が山場を迎えるなか、特に、畜産・酪農については国内生産の拡大が可能となる国境措置の維持が不可欠ですし、青果については生産流通改革への適切な対応が求められます。

 このため生産現場を踏まえ、生産者の声を汲み上げながら品目ごとの特性に応じた対策を確立し、安心して農業生産に取り組める環境整備に努めて参ります。

第2は、総合事業経営の仕組みを堅持し、農村地域の振興を図ることであります。

 政府は、農協法改正等のなかで営農経済事業を中心とする職能組合となること、農村地域の振興やそのための農村サービス等についてそれを主眼として事業実施しないことを求めており、それは信用事業譲渡・代理店化や准組合員の事業利用規制等として具体的に提起されてきています。

 JAが行うすべての事業は、組合員の営農活動や暮らしと密接に繋がっており、総合事業経営の仕組みは堅持しなければなりません。

 また、我々は先のJA大会において、農協改革が求められるなかにあってもJA綱領に基づき「JAは食と農を基軸として地域に根ざした協同組合」であることを確認しました。

 JAには地域に根ざした協同組合として、豊かで暮らしやすい地域社会を実現するという大きな役割があります。

 例えば私のJAでも取り組んでいますが、採算が厳しい地域でも逃げ出さずにAコープやSSを維持し、買い物難民対策として移動購買車を導入するなど地域の生活インフラを支えています。

 地方創生が政治課題として掲げられていますが、JAにはその一翼を担う力があり、特に農村地域ではその責任もあります。

 震災復興等への取り組みもそうですが、農村等の実態に即した地域政策の提言を積極的に行い、行政等とも連携しながら農村地域の振興・活性化に引続き取り組んで参ります。

 一方、JAの力の源泉、最大の強みは組合員にあります。

 農協改革のなかで准組合員の事業利用規制が提起されたにも拘らず、残念ながら組合員の間に危機感を醸成するにはいたっておりません。

 組合員が多様化するなかで、組合員対策、組織基盤強化対応を怠ったあるいは十分に講じてこなかったことを真摯に反省し、協同組合の原点に立ち返り、事業や活動を通じて改めて正准すべての組合員とのつながり強化に取り組むとともに准組合員制度を堅持します。

 あわせて、協同組合の理念を理解し、組合員に働きかけができ、次世代に協同組合運動を引継ぐことができる職員の育成にも努めて参ります。

第3は、JAグループの結集軸となる一社全中を構築することであります。

 全中は、平成31年9月に一般社団法人に移行することとなり、一社全中のあり方の大枠が示されました。これを踏まえ各都道府県中央会では、移行後の県中のあり方検討が進められています。

 県中・全中を合わせた中央会系統としてどのような機能を発揮すべきか、県中と全中の役割分担はどうあるべきかなど、一社全中のあり方の大枠をたたき台として都道府県中の皆様と十分な議論を行い、現場を重視し、組合員目線に立ち組合員・JAから求められる新たな全中の姿を早急に確立して参ります。

 また、この難局を乗越えるためには、JAグループが一枚岩となって対応する必要があります。

 JA・県段階・全国段階という縦のパイプと、中央会・連合会間の横のパイプの血流を良くししっかりと連携する、その結集軸となる全中を構築します。

 今、農協改革等により、JAグループ内には閉塞感が漂っているように感じます。これを打破し、JAグループの将来の姿を組織協議等も踏まえて提示していくことも全中の大きな機能であると思います。

 来年度には、JA大会も控えています。次期大会に向けて、協議を進めて行きたいと考えております。

 一方、自己改革を進めるうえでも農政課題への対応を進めるうえでも、広報対策は極めて重要です。

 食料・農業やJAについて国民の理解を促進するため、全国連と一体となった広報対策を強化するとともに、協同組合の仲間との連携を強化し協同組合の価値や役割等について理解醸成にも努めて参ります。

 以上、所信の一端を述べさせていただきました。

 我々の大先輩であり私の恩師でもある、かつての全中会長 宮脇朝男氏は「全中会長は、最前線で翻っている軍旗である」との言葉を残しています。

 この難局に立ち向かい、乗り越え、将来への展望を切り開くため、恩師の言葉をかみしめ全力で取り組んで参りますので、ご支援の程よろしくお願い申し上げます。